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生命系・生物系の大学院生が就活について考える

 2021年に大学・大学院を卒業される方たちはインターンに行き始めている、そんな時期だと思います。生命化学分野を専攻する大学院生の私ですが、「バイオ系の就職先って見つかるんかいな?」とちょくちょく思っていました。そんな風に考え始めたのはラボ(研究室)配属時くらいからです。理系大学院生、バイオ系で研究する私の立場から、身近な人たちの就活状況も含めて就活について少し考えたことをメモしておきます。僭越ながら。

 

 

バイオ系の就職口はない?

  結論から言うと、あります。そりゃ全くないなんてことはありません。ただ「不安定」ということは教授から聞きました。毎年毎年どの業界でも一定の人たちが職を離れ、それを埋めるべく一定の人たちが新卒採用という形で就職していくのが業界における一般的な人材サイクルです。ここにおいて、機械・電気・情報系の産業はそのサイクルが安定しているのですが、バイオ業界は一定人数が退職したからといってその人数分をとってくれる、というわけではないです。なぜならバイオ系の技術はまだまだ歴史が浅くて不安定だから。不安定な分野で安定した採用人数を保証できない。というのが学部時代に私が聞いた講義中で教授のお話でした。

 まだまだ就活なんて先だからという風にあまり危機感を感じてなかった私は「ふーんなるほど」くらいに聞いてました。来年に就活を控えた今となっては、「確かにそうだな」と感じますね。今となってもあまり危機感感じてないような態度ですが。。。例えば、バイオ系のインターンのエントリーが就活サイトで取り上げられてる数が他に比べて少ない気がします。こんなところに「やはり門戸は狭いのかなあ」と思ってしまいます。

 


就活できるかはラボ配属次第?

 では、バイオ系以外で就活するとなった時、インターンや説明会に行くためのまとまった「時間」が必要になります。この「時間」を確保できるかはラボの形態できまってくるんじゃないかという話です。

 バイオ系といっても研究室の研究テーマは様々。有機合成系、分子生物系、生体材料系、、、といったように多岐にわたります。全ての研究室が同じ雰囲気・コアタイムではありません。就活の時間を確保できるかは、研究テーマとラボの性質によってある程度決まってくると思います。例えば、有機合成系のラボは私の大学の学科の中ではかなりきつい(遅くまで実験をたくさんしなければならないという意味で)という位置づけです。中にはきつくて一時的に不登校になってしまった人もいます。そこに配属されたとして、そんな時間があるかというと、ないでしょう。だって日曜を除く日は朝から晩まで有機合成していますから。(ここでは、有機合成系で就職を希望する人たちは度外視して考えています。あくまで「バイオ系以外で」という観点から話しています。製薬や化粧品メーカーを目指すなら有機系の研究室にいたということはとても有利になると思いますよ。)

  ということで、就活にちゃんと時間をとりたいという方は配属前のラボの特徴を調べておくのは大切かと。大学によってはラボ配属がくじ引きだったりすることもあるので希望の配属先にならないこともあるとは思いますが。わたくしの大学はくじ引きではないものの、それでもハズレを引いてしまう人はいました。(注「ハズレ」=希望通りでない、ということです)そういった人たちの中には他大の大学院に進学する人もいました。 

 

生命系の順当な進路先は製薬・食品・化学メーカー?

 じゃあもしバイオ系で就職するとなるとどこが適当なのでしょう?ラボの先輩たちの進路先を見てると製薬だったり、食品だったり、医療機器メーカーだったり。食品系は文系の人たちも希望するため倍率が高めという印象です。と言っても、バイオ系業界でも職種によっては文系の生徒が医療機器業界で働くことなんてざらにあるでしょう。営業職は特にそうらしいです。むしろ文系出身が多いと言っていました。

 

バイオ系の人たちはどう戦う?

 就活するときに文系の生徒と同じ土俵に立つことはきっとあると思います。「自己PRや学生時代に打ち込んだことを書いてください」なんて記入欄は履歴書で定番の質問です。文系の生徒は理系に比べて時間的な拘束が少ないように感じています。周りの友人を見ていても。そんなことから、文系の生徒は就活で自己PRにおいて学校以外での課外活動の成果なんかを武器にガンガンプレゼンしていくイメージがあります。(偏見ですが)私は理系なので、研究で忙しくて課外活動もあまり行えないだろうから自己PRも「研究に打ち込んでました」くらいしか書けなくなるだろうな~と考えていました。


理系の人たちの自己PRって?

 じゃあ理系はどうするか。私はどうしているかというと、「論理的思考には自信があります。」と書いています。まあこれは理系に限らず大切なのですけれども。このPRの背景には、「in vitroin vivoで得られた複数の実験結果を一つの現象としてとらえるために平素から論理的思考をしてきた」ことが挙げられます、みたいな感じで面接で話すようにしています。発想が貧困なもので現状これくらいしか思いつきません。

 ラボでは研究の進捗状況を共有するために発表することが頻繁にあるでしょうから、プレゼンテーション能力は培われるはずです。これをPRポイントにしてもいいと思います。留学だったり、ちゃんと課外活動する時間あったよって人はそのことを書けばいいと思います。理系の全てが研究漬けで忙しいなんてことはないので。ただ自分にはあまりにそういったことがなかったので、このような狭い話になっています。

 

まとめ

 まとまりのない話が長くなってしまいましたが、何が言いたいかというと、「就活を始めてみてわかったことは、バイオ系の生徒に対してもバイオ系以外の業界が開けているということ」ですかね。このことについてはインターンの面接時の面接官や、先輩社員との座談会で言及されることが多いです。例えば、「別に情報系の生徒じゃないからってIT業界で活躍できないわけってことではないよ~」みたいな感じです。就活経験ゼロの大学院生の就活所感といった形でこの記事を見ていただければ幸いです。